台風15号が茨城県に初上陸した。しかも東から西へという、教科書の常識を裏切る進路。台風一過の青空もなく、雨だけがじわじわ降り続く。ニュースでは大きな被害を受けた地域も映し出され、胸が痛む。
一方、中之条は幸いだった。風雨は荒れず、乾ききった畑にはようやくの恵みの雨。自然は同じ台風でも、場所によってまるで別の顔を見せる。つくづく、人間の都合で語れる相手ではない。
雨が降る前、秋野菜に向けて除草した畑は、乾燥しすぎてボコボコだった。雨乞いしても降らなかった空が、台風とともにようやく応えてくれた。台風を挟んで昨日今日と、引き続き除草作業を進めている。
藪に埋もれていた、さやえんどうの種取りも同時進行だ。雨に濡れて地面に落ちれば、せっかく熟した種がすぐ芽を出してしまう。10月に播く予定の種だから、一さやずつ救い出す。面倒だが、次につながる大事な仕事だ。
そしてキュウリ。手塩にかけてきた一本が、突然枯れた。明らかに異変だ。株元を掘れば、根切り虫が潜んでいるはず。放置すれば次の苗もやられる。一株の異変を見逃さないことが、被害を広げない唯一の知恵になる。
続く台風17号も大型で、再び関東直撃の気配を見せている。自然が「常識通り」に動くとは限らない。雨にも風にも備えるが、自然を人の都合で動かすことはできない。
出穂し、これから登熟に向かう田んぼも心配だ。天候に支配され、虫に振り回され、それでも田畑を見回る。農業とは、そんな毎日の積み重ねだ。
だからこそ、固定観念に頼らない。「例年こうだから」ではなく、今年はどうなのかを自分の目で確かめる。
畑は今日も教えてくれる。
常識を疑え。そして、自分の目で確かめろ、と。
農業は、教科書だけではできない。